「人間」────── その愚かなるもの

-解説-

関西で文化活動を続ける「夢人塔(むじんとう)」活動40周年記念作品で製作された長編映画。
出版社の協力を得て、幻想怪奇譚金字塔、H.P.ラヴクラフトの「クトゥルー」文学から発想し、
独自の解釈と世界観を加えて描いた日本初の本格「クトゥルー」映画として完成した。
三人の愚か者がマジックパワーを持つ箱を奪い合う"大人の寓話"。
人間の奥底にある業(ごう)を描いた、哀しみのダーク・ファンタジー作品。

ストーリー

1938年、太平洋戦争前の印須磨の街に失業中の八田雅夫(マーティ)が流れてくる。
彼は織栖正造(オリス)教授の手引きで大学の図書館で働くことになった。
ある日、阿上段一(アガミ) という怪しい男が現れ、オリスの隠し持つ玉手箱を盗むよう頼んでくる。それは昔アガミが心を奪われた女性に貰った品だという。マーティは金に目がくらみ、まんまと箱を盗み出すのだが、アガミには渡さず持ち帰ってしまう。
箱の中身は「根倉巫女譜(ねくらのみことのり)」という呪術の古文書だった。マーティは好奇心から中の呪文を唱えると、なんと恐ろしい姿の邪神が現れ何でも願いを叶えると言った。

マーティは自分の欲望を満たすため、次々と命令するのだが……
本は一体誰のものになるのか? 人の幸せとは、どこにあるのか?そして、その結末は…?


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